2018年 2月の寒い夜
その頃私は馬車馬のように働いておりました。
営業職で、月の残業は60~70時間位でしょうか。
数字だけ見ると、たいしたことないように見えるかも知れませんが
日本のサラリーマンの悪しき伝統、サービス残業を入れると実際はもっと長時間です。
また、当時の会社の体制もひどいもので、休みの日に電話がかかってくることもしばしば。
トラブルが起きても、山のように決して動かない上司。
それでいて恥ずかしいくらいの薄給。
でも、まあ
これと言って学も技術もコネもない私は、まあこんなもんだろうと思っていました。
今思えば、体からのヘルプサインは出ていたんだと思います。
耳の調子が悪い...
なんだかめまいがする...
ちょっともう無理かもしれない...
でも当時は、代わりの人間がいないことで、なかなか相談することが出来ませんでした。
上司に相談しても、何もしてもらえないことはわかっていたので。
だけどこのままではいけないと
上司に体調がおかしいと相談しました。
返ってきた答えは
「病院へ行け」
...だけでした。
いつ?
私が病院へ行くために、誰が代わりに私の仕事をしてくれるのか?
そう言った提案は一切ありませんでした。
...卑怯。
休めとか、病院へ行けとか言うけど。それだけ。フォローはなし。
まあ、予想通りでした。
そしてとうとう仕事帰りの電車の中で、一生忘れられない事件が起きます。
なんか気分が悪い...
座席が空いたので座り、目を閉じました。
真冬なのに、なぜこんなに暑いのだろう。
ダウンを着ていたのでそのせいかなとも思いましたが、その直後物凄く寒くなりました。
何だこの感覚?
今日は何も食べず寝てしまおうなどと考えているうちに、電車は駅に到着しました。
座席から立ち上がった瞬間...
視界が歪む!
今まで経験したことのないめまい!
歩くことができません。
それでも必死に家路をたどりますが、真っすぐ歩くことが出来ません。
駅近くの月極駐車場までなんとか歩き、座り込みます。
これ、ヤバいやつだ...
治まりそうにない...
しばらくすごく迷いましたが、救急車を呼ぶことにしました。人生初です。
119番通報し、電話で話している間に救急車が到着しました。
こんなに速いんだと思いましたね。頭が下がります。
救急隊員の方が、
「こっちをみて」と...
なにやら私の目の前にペンのような物を出して、私の目をみているようです。
今はこの意味がわかります。たぶん眼振(黒目がぴこぴこ動くこと)をみていたのでしょう。回転性めまいの場合、眼振が起こります。肉眼でもわかります。
「めまいはぐるぐるですか?ふわふわですか?」
...これなんですが...
...正解はぐるぐるです。
が
あの時は正直よくわかりませんでした。何故だろう?
今は発作の時、はっきり回転しているのがわかるのですが、あの時は回転している感じがわかりませんでした。
しばらく考えて
「どちらかと言えばふわふわです。」
と答えました。
救急隊員の方は不思議そうにしてました...
で、救急病院に搬送されて点滴を受けました。
ドクターから
「特に脳に異常はないと思う。とりあえず耳鼻科に行って下さい。申し訳ないけどベッドがないので入院はできない。」
みたいな感じのことを言われました。耳鼻科がない病院だったんですねえ...
...なんか、久しぶりに、自分のことがかわいそうだと思いました。
めまいがおさまっていない、よれよれの状態でタクシーを呼びました。救急夜間受付の方が、気の毒そうな目で私を見ていました。
なんとか家に帰って...(今思えばよく帰れたと思います。)
...それからなんだかんだあったのですが、長くなるので今回は省きます。
...そして翌日、近くの耳鼻科に通います。運よくめまい外来のある耳鼻科でした。
本来は予約制ですが、おそらく私の様子を見かねて、先に順番をねじ込んでくれたのだと思います。
ふらふらしながら色々な検査をしました。ぐらぐらした板?の上に乗ったり、壁に貼ってあるシールを見て、目をきょろきょろさせたり...
一通りの検査をして、ドクターの問診に移ります。
で、その結果...
今回はここまでです。次回に続きます。
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